小児の場合、無症状でも周囲の人に感染させる可能性もある Photo:Healthday

米国の小児COVID-19罹患者は報告よりも多い可能性

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが続く中、比較的重症化しにくいとされている小児だが、実際の感染者数は、報告されているよりもはるかに多い可能性があるとする研究結果を、米・南フロリダ大学公衆衛生学疫学准教授のJason Salemi氏らが「Journal of Public Health Management and Practice」4月16日オンライン版に発表した。Salemi氏は「われわれは不安を煽るつもりはない。人口全体で見れば、小児は最もリスクが低いことは確かだ。しかし、COVID-19の罹患リスクが高いのは一部の人だけだという考えは間違っている」と指摘している。

 Salemi氏は、COVID-19の蔓延に一定の効果を発揮している休校や休業などの規制解除の動きに言及し、COVID-19のリスクを踏まえた判断が極めて重要だとの見解を示している。そして、「これらの措置により、感染者数増加のスピードを緩めることができてきた。今後も、同様の措置を継続すれば、医療システムの崩壊を回避できるかもしれない。しかし、規制が解除あるいは緩和されれば、感染率は再び増加に転じ、病院は小児患者を含めた新規感染者であふれかえる可能性がある」との見通しを示している。その上で、小児患者用の小さめの医療用品が必要になるだけでなく、小児患者に付き添う親の安全性を確保するための対策も求められることを指摘している。

 Salemi氏らは今回の研究で、まず、小児のCOVID-19罹患例2,100人以上を対象にCOVID-19の重症度を調べた中国の研究データに基づき、同疾患が小児に及ぼし得る影響について知識を得た。次いで、米国のデータを調べたところ、3月18日から4月6日までに、米国では74人の小児患者が小児集中治療室(PICU)で治療を受けていた。なお、同氏によれば、4月6日以降にも入院した小児患者はいるという。

 その上で、統計的モデルを用いて解析した結果、3月18日から4月6日までにCOVID-19に罹患した可能性がある0~17歳の小児は17万6,190人と推定された。「小児の場合、症状はなくても周囲の人に感染させることが考えられるので、この結果をよく検討する必要がある」とSalemi氏は説明している。

 また、PICUでの治療が必要となった小児患者の割合は、12~17歳が46%とほぼ半数を占め、2~11歳が24%、2歳未満が30%だった。なお、Salemi氏らによると、小児患者の入院期間は平均14日間であることが複数の臨床報告で示されているという。