佐藤 いやいや。入社当時の16年前、自分が社長になるとは考えてもみませんでした。最初は経営企画室に配属になり、中期経営計画や事業買収などを担当していたのですが、日々新しい問題、課題が発生しては、その対応に追われてきたように思います。

多田 では、どうしてご自身が社長に選ばれたと思われますか。

佐藤 テルモは時代の変化に応じて、新しい医療機器をつくってきた歴史があります。新しい事業は誰にとっても未知ですよね。未知なものをマネジメントするのは、プロパー、中途入社関係なく、条件は同じです。むしろ中途入社の方が先入観なく判断できる場合もあります。だからこそ、私が社長になるということは、「今後も、先入観なく新しいことにチャレンジしていく」という会社の意志だと思いました。

テルモがグローバルで勝ち続ける理由、全員で共有する「価値観」重視の戦略とは

 また、会社全体が新しいことに挑戦し続けるには、多様なバッググランドをもったメンバーが、さまざまな部署・職種でそれぞれの経験や知識を活かすことが重要だと考えています。私もその1人です。

 テルモでは、プロジェクトによっては、外部の提携企業の方々と仕事をすることもあれば、外部のコンサルティング会社の人たちと一緒に働くこともあります。その際に、中途入社か、プロパーかなどはあまり意識されないですよね。それよりも、目の前の課題を解決するために何が必要かを考えることに、目を向けるべきです。

求められたモノをつくるメーカーから
新しい社会に求められる立場へ

多田 最後に、今後テルモが⽬指す組織、働き⽅についてお聞かせください。

佐藤 ここ数年、「自分たちのビジネスモデルが変わっていく」ことを感じています。これまでは社会や医療の世界から求められるものがあり、必要なものを開発・提供するのが重要な使命でした。しかし、21世紀の医療課題は、その大半が製品1つで解決できるものではなくなっています。