叱れば叱るほど心理的反発を生む
「子供の生活と学びに関する親子調査2015-2016」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)によると、「勉強好きな子」は自分の好奇心や関心など内発的動機から勉強している割合が高いのに対し、「勉強嫌いの子」は、先生や親に叱られたくないからという外発的動機で勉強している割合が高いことがわかりました。
意見や行動を他人から強制されると反発し、かえって自分の意見に固執することを、心理学では「心理的リアクタンス」と呼びます。「勉強しなさい」と叱れば叱るほど、子どもは強く反発し、勉強から遠ざかります。諸富教授はやみくもに叱るより「最初の10分間でよいので、子どもと一緒に勉強してやるほうが効果的」だと言っています。
コミュニケーションが苦手だと感じるのは、自分に自信がもてないことも原因のひとつです。人は自分に自信がもてなければ、相手に拒否されて傷つくことを恐れ、人づきあいを避けようとしてしまいます。
子どもも同じです。「自分はこれでいいんだ」と思える子どもは、自信をもって自分の気持ちを表すことができます。
(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』からの抜粋です)
参考文献
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査 2016」
諸富祥彦「自己診断チェック 子育てによく効く叱り方」(遠藤成・構成、プレジデント、2013/3/18号)
Dr. Jane Nelson ”Positive Time-Out,” Positive Discipline website