「真水」の額や
家賃支援給付金、持続化給付金への課題

 もちろん、課題がないわけではない。

 まずは事業規模に対して「真水」の額。今回は前回よりも増えたわけであるが、国民が求め、注目するのは「真に歳出される額」であり、もういい加減に「事業規模」という言葉でごまかすような真似(まね)はやめるべきであろう。もうバレバレであり、なにより国民の期待や希望を失わせることにつながる。

 次に、個別の措置に関して言えば、家賃支援給付金。給付対象の売上高の減少基準はいいとして、給付額が全額ではなく給付率3分の2、月額の上限が法人にあっては50万円、個人事業者にあっては25万円であり、複数店舗を有する場合等の家賃が高い場合については給付上限額を超える部分の3分の1、月額合計の上限は法人にあっては100万円、個人事業者にあっては50万円とされている。

 単純に考えて、この額で急場をしのげる事業者はどの程度いるだろうか?負担軽減にはつながったとしても、これで十分対応できる事業者は相当限られているのではないだろうか。

 実際、この家賃支援給付金の額を算定する際に、当初は「全国平均の値」が用いられていたというから驚きだ。東京都心の一等地と片田舎では家賃は雲泥の差であるし、地方といってもその地域の慣行で家賃が東京並みといったところもあるようであり、そうした地域差や家賃の地域特性を考慮して柔軟に対応できる仕組みとすべきであり、よりきめ細やかなものとなるよう、今後修正が必要となってこよう。

 そして、持続化給付金。今回の補正では拡充されることとされたが、とにかく申請システムの使い勝手が悪い、手続きがわかりにくいといった課題があり、拡充が意味を成すためには、増額だけではなく、申請者目線での手続きの見直しも求められよう(給付の事務の委託を受けた一般社団法人サービスデザイン推進協議会を巡る問題や疑惑も明らかになってきており、そうしたことも給付金申請手続きに係る問題と関係しているとの見解もあるが、本稿では立ち入らず別稿に譲ることとしたい)。

西村経済再生担当相の奔走で
実現した持続化給付金

 いずれも必要な措置であり、これらが創設・拡充されたこと自体は評価されてしかるべきであるが、申請者、つまりは困窮する事業者からすれば、手続きが複数あって、それぞれ申請しなければいけないというのは大きな負担である。

 従って、家賃や損失を全般的にカバーできる仕組みとすることが本来であれば望まれる。どうも政府は「損失補償」というものには消極的なようであるから、持続化給付金に家賃補助等も統合し拡充でも、新たに「総合給付金」のようなものを創設してそこに統合でも、名目はなんでもいいので、実質的に失われた粗利を100%近く補償できるような仕組みが求められよう。

 持続化給付金については、西村経済再生担当相が奔走して実現に至ったと聞いている。粗利の100%補償と申請者負担の軽減に向けて、さらなる奔走が期待されよう。

 これらの問題はあるものの、そして遅いとはいえ、緊縮財政の呪縛を破るかのように措置されたことはいいことである。