誇りを失わないで!

愛が終わるときも、慎みを忘れたくない。男性(+社会的地位)を失うまいとしてなり振りかまわずふるまう女性を見るとびっくりしてしまう。報われることもあるだろうけど、それにどれだけの価値が?争いは、愛を消し去ることはなくても、決して強くはしてくれない。いっそう不安定にするだけ。

だから、捨てられた女性たちにはこう言いたい。「あきらめて」と。

たとえ、こんなに早く妻の座を失うと思ってはいなかったとしても、予告もなく、慰謝料ももらえなかったとしても、ぐっとこらえて、恨みも憎しみも一切顔に出さず、エレガントに別れてほしい。いまはつらくても、それが唯一の出口だから。

そして、周りを見ながら、慎重に未来に向かって進むの。大切なのは、耐えるのではなく行動すること。ほほ笑みも絶やさずに。ひきつった笑顔では相手がおびえてしまう。だから超然として、上品に、彼の幸せを願ってあげて。そうすれば、ほら、悲しみと折り合いをつけられる!

ライバルを憎むのもやめよう。歯並びが悪い、頭が悪い、過去があるなどと彼女を貶(おとし)めても、あなたの価値は上がらない。それに、もしも彼女にそんな欠点があるならば、彼がすぐに気づくはず。まあ、気づかないかもしれないけど……。
さあ、つらさに耐え、毅然として旅立とう。インドに行くならば、アーユルヴェーダを体験できる。チャクラが開くから、戻ってくるときには(戻ってこなくても)別人になっているはずよ。

いかがでしたか。今回は女性が年上の場合の大人の恋愛について、エピソードの一部をご紹介しました。ミレーヌ・デクロー著・吉田良子訳の書籍『大人が自分らしく生きるためにずっと知りたかったこと』では、ほかにも著者や友人たちの実体験や、大人ならではのパートナー選びのコツについて、フランス人ならではのウィットに富んだ視点を、クスっと笑えるエピソードとともに多数紹介しています。