城崎温泉の魅力「外湯めぐり」
おしゃれマスク、混雑状況をスマホで
城崎温泉の大きな魅力の一つといえるのが、「外湯めぐり」だろう。共同浴場である外湯は温泉街に7つあり、川沿いの柳の木と木造3階建ての旅館が並ぶ温泉街をそぞろ歩いて温泉に入ったり、飲食店や土産店を訪れたりするのが城崎温泉の滞在スタイルとなっている。こうした昔からの城崎温泉の文化を守りつつ、安全を確保するために、独自のガイドラインや対策は作られた。
まず、マスクの着用だ。マスク着用は今や当たり前の対策ではあるが、城崎温泉では浴衣姿で外湯めぐりや街歩きをするのが一般的で、普通のマスクをすると味気なくなるのも事実。
そこで城崎温泉旅館協同組合は、浴衣に似合う生地で「城崎温泉オリジナルマスク」を作成した。夏の暑さに備えて裏地は冷感素材が使われており、各旅館などが宿泊客らにプレゼントや販売をするという。
また、外湯は多くの人が利用するため、混雑による感染リスクも否定できない。そこで、高宮会長が活用を呼び掛けるのが、1日外湯めぐり券「ゆめぱ」を活用した外湯混雑状況のデータだ。「ゆめぱ」にはバーコードが付いており、外湯に入る際にかざすことで利用人数が共有され、スマホなどから誰でも混雑状況をリアルタイムに知ることができる。コロナ以前から利用者の混雑を避ける目的で作られて利用されてきたが、これを活用すれば空いている外湯に入れる上、感染リスク低減にもつながるだろう。
そのほか、一般的な宿泊施設が行う感染予防対策に加えて、旅館が行うものの一つとしてガイドラインに定められたのが「宿泊客の体調チェック」だ。宿泊前日など「旅マエ」の宿泊客へ連絡をし、体調確認を行うという。
「もともと宿泊前日にはお客様に連絡をしているが、その際に体調を伺い、もしすぐれないようならば、ご宿泊の延期やキャンセルがしやすいように配慮するようにした。例えば、キャンセル料を免除したり、予約日の振り替え対応をするなど考えている」(高宮会長)
現在、コロナ感染が都市部を中心に再び拡大しているのを受けて、ガイドラインの改訂も検討している。これまで宿泊施設での検温は明記していなかったが、宿泊客に発熱があった場合にどういう対応をするのかなど、保健所や外部の専門家にもアドバイスをもらいながら、状況に合わせてアップデートしていく予定だ。