5つのステップで「脱マウス」へ!
キーの説明に入る前に、マウスダイエットを経て脱マウスを実現するまでのステップを説明します。この本で紹介するのは、ショートカットキーの丸暗記ではなく、キーボードを起点として段階的に意味を理解しながら覚えていく方法です。
本書における脱マウスへのステップは次の5つになります。
【Step 1】 要諦を確認する
マウスダイエットから脱マウスまでの基本的なルールや、キー自体の役割などを確認します。ポイントは、以下の4つです。
- Point 1 キーのマークの意味を理解する
- Point 2 キーボードの構造を理解する
- Point 3 キーの役割を理解する
- Point 4 キーを頭文字やイメージで理解する
【Step 2】 単体系のショートカットキーを覚える
1つのキーを押すだけのショートカットキーを覚えます。コピーの[Ctrl]+[C]は[Ctrl]と[C]という2つのキーを使います。これに対して、たとえば[F12]は、それを1つ押すだけで「名前を付けて保存」画面を表示できます(エクセルやワードなど、主なオフィスアプリの場合)。このようにそのキーだけで操作できるのが単体系のショートカットキーです。
ステップ2の単体系のショートカットキーでは、1つだけで操作が行えるキーを紹介します。ここでポイントと切り取りなるのは、途中でマウスに持ちかえることなく、最後までキーだけで操作できるようになるための素地を作ることです。
たとえば、チェックボックスにチェックを入れたいとき、設定の画面を出すところまではキー操作で行っても、チェックを入れる段階になるとマウスでクリックしている人もいます。
これでは、せっかくショートカットキーを使っているのに効果が半減です。そうならないためにも、ショートカットキーとショートカットキーをつなぐ役割を持つキーのお話もします。
【Step 3】 「母体キー」の使い分け方を理解する
コピーの[Ctrl]+[C]のように、ショートカットキーというと[Ctrl]キーと何かを組み合わせるもの、あるいは[Alt]や[Windows]キーと別のキーを組み合わせて使うものというイメージがあることでしょう。
たしかに、このようなキーの組み合わせはショートカットキーの要でもあります。キーを組み合わせるときに使う[Ctrl]、[Shift]、[Windows]、[Alt]をこの本では「母体キー」と呼びます。ここでは母体キーの特徴を学びます。これがわかればキーの組み合わせを理解できるようになります。
ステップ3の母体キーの使い分けでは、[Ctrl]や[Shift]キーの説明もしますが、[Ctrl]や[Shift]と比べると馴染みのない[Alt]キーの使い方について詳しく解説します。
【Step 4】 左手だけを使うショートカットキーを覚える
最初は左手だけで押せるキーを使います。右手はマウスの上に置いていてもかまいません。
アプリによっては、脱マウスよりマウスダイエットのほうが使いやすいものもあります。そういったものについては、ここまでで十分に目標(生産性の向上、時短)が達成できると言えます。
ステップ4では、いよいよ一般的にショートカットキーとイメージされているキー操作に入りますが、まず、左手だけで操作できるものを覚えます。
この段階では、右手はマウスの上にあってかまいません。いままでマウスで行っていた操作の一部を左手で行うことで、右手のマウス、左手のキーという具合に両手で操作ができるようになります。
これにより、マウスだけで操作していたときと比べると2倍以上のスピードで作業が進むようになります。
【Step 5】 両手を使うショートカットキーを覚える
右手をマウスから離して、両手をキーボードに置いたままパソコンを操作する段階です。脱マウスの最終ステップになります。
ここでは、両手をキーボードに置き、脱マウスを目指します。ここまでに蓄積してきた単体系のキー、母体キーの知識、左手系のキーも生かしながら、いろいろな操作をキーだけで行ってみます。
ショートカットキーの本やインターネットでの説明を見ると、ステップ4や5から入りがちです。そして、覚えきれなくて中途半端で終わってしまう。これがこれまでのショートカットキーの学習でした。
しかし、この本では1番目に挙げている「要諦」を重要なものと位置づけます。組み合わせるキー自体の役割を知れば、それだけで暗記に依存しなくてもショートカットキーを使えるようになるからです。
たとえば、[Shift]キーの役割を知らずに[Shift]+[→]を押すと、選択範囲が右に広がる、というように暗記していませんか。
[Fn]キーの位置がよくわからないままに、[Fn]+[↑]で上にスクロールと覚えようとしていないでしょうか。
これから説明するのは、単なる暗記ではなく、[Shift]や[Fn]キーの役割を覚える方法です。ここを理解すれば、[Shift]+[→]の組み合わせを覚えていなくても、「[Shift]+[→]で右方向に選択していけるのではないか」と頭が働くようになります。
[Fn]キーも、キーボードのどこにあって、どんな働きをするかがわかれば、組み合わせを暗記しなくても、キーボードを見れば一緒に押すべきキーが思いつくようになります。
また、ショートカットキーの構造や由来についても紹介します。英単語は、由来がわかると効率的に覚えられるものです。ショートカットキーも同じことです。
由来やちょっとした覚え方を知っていれば、覚えやすくなると同時に忘れにくくなります。