8万部超のベストセラー『アウトルック最速仕事術』の著者・森新氏によると、アウトルックの導入企業では、エクセルやパワーポイントよりもはるかに多い「一人当たり年間平均500時間」をアウトルックだけに費やしているという。しかし、その実践的なスキルをまとめた書籍はこれまでなかった。本連載では、大手企業も続々取り入れている「たった90分で年間100時間の時短ができる」と話題沸騰のセミナーのノウハウをまとめたこの1冊の内容から、ビジネスパーソンの時短に大きく貢献するアウトルックの技術をお伝えしていく。
アウトルックのスキルを上げればフォルダー分けは必要なくなる
受信したメールを整理する方法として「フォルダー分け」を活用している方は多いでしょう。実際、メールを使う人の6割程度がフォルダー分けしています。
なぜ、メールをフォルダーに分けるのでしょう。フォルダー分けの目的は、多くの場合、後日、そのメールを見つけやすくすることにあります。ところが、フォルダー分けが本当に便利で効率のよい方法かというと、そんなことはありません。理由は3つあります。
1. 自動でフォルダー分けするように設定している場合、中身を見るには、その都度フォルダーを開かなければならず、かえって手間が増える。
2. 服や靴のように日常的に使うモノなら、引き出しに分けて収納すると目的のモノを取り出しやすくなるが、フォルダーに入れたメールのうち後日参照するのはごく一部にすぎない。その一部のメールのためにすべてのメールを分類しようとするとムダが増える。
3. 分類できないメールが一定数存在し、かえって作業が複雑になる。
3番目の理由について、もう少し詳しく説明します。これは「こうもり問題」と言われているものです。あなたが「鳥」フォルダーと「獣」フォルダーを作ってメールを分類していたとしましょう。
そこへコウモリからメールが来ました。あなたはこのメールを「鳥」に入れますか。それとも「獣」に分類するでしょうか。
コウモリは哺乳類なので獣だと言えますが、翼を持ち、飛行するので鳥のようでもあり、「獣」フォルダーに入れても「鳥」フォルダーに入れてもよいように思えます。決めかねるので受信トレイに残したままにする人もいるでしょうし、コピーして両方のフォルダーに入れる人もいるでしょう。
いずれにしても、考える時間がかかる上にあいまいな整理しかできない状態になります。
コウモリからのメールのように、どのフォルダーにも分類できないメールは必ずあります。つまりフォルダー分けによるメールの整理は万能ではなく、かえって未整理のメールを残す原因になるのです。
アウトルックの機能を上手に利用すれば、フォルダー分けしなくてもメールを整理し、必要なメールをすぐに取り出せます。