白タク合法化と
その拡大に向けた「蟻の一穴」

 その次のモビリティ(「交通や人の移動」と書けばいいのに)のところでは、こんな内容まで含まれている。

「一般旅客自動車運送事業者が協力する自家用有償旅客運送制度の創設」として、「一般旅客自動車運送事業者が委託を受ける等により実施主体に参画し、運行管理を含む運行業務を担う事業者協力型自家用有償旅客運送制度を創設する地域公共交通活性化再生法の改正法が成立したところであり、本年中に運用を開始する」と記載されているが、要は地方の交通空白地帯への柔軟な交通サービスの提供に名を借りた、実質的な「白タクの合法化」である。

 別の言い方をすれば、白タク合法化とその拡大に向けた「蟻の一穴」である。

 この関連の国交省の説明資料を読めば、交通弱者だけではなく、訪日観光客まで対象に入れられている。そんなにこの国の安心安全を滅却させ、地域を衰退させたいのか。

 さらに、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた対応」では、補正予算の内容を一部踏襲しつつ、「ライフスタイルの急激な変化」や「テレワークや宅配サービス等は使い続け、元には戻らない」といった、根拠が薄弱なことをまことしやかに述べた上で、「ポスト・コロナの社会にマッチした業態変換を後押しする施策、規制改革」の検討などを進めるとしている。

「業態変換」や「規制改革」という結論ありきで新型コロナウイルスの感染拡大を利用しているとしか考えられない。ここまで来ると、もうただの「日本経済社会の破壊計画」である。

 しかし、これだけ盛りだくさんであり、まとめて報道されることはほとんどない。せいぜい個別の事項について「針小棒大」に特集が組まれる程度であろう。

 それでありえもしない虚構の未来を妄想し、こうした計画にもろ手を挙げて賛成していては自分たちの首を締めるだけだ。読者諸氏にはこれを機に問題意識を持ち、反対や疑念の声を挙げていただきたいところである。

 本来であれば、まずは国会議員がそれをやらなければいけないはずなのだが……。