スマホゲームの「モンスターストライク」で業績を飛躍させたミクシィ。足元は2桁減収減益が続くが、注力しているのがモンストのリバイブ(再生)と、競輪を中心とした公営競技だ。また同社はBリーグの千葉ジェッツ、JリーグのFC東京、プロ野球の東京ヤクルトスワローズもサポートしている。特集『激震! コロナvsプロスポーツ』(全12回)の#9では、モンストの初代プロデューサーでもある木村弘毅・ミクシィ代表取締役社長を直撃しました。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
モンストと公営競技ビジネスを2本柱に
競輪が持つポテンシャルを花開かせる
――6月に東証1部に昇格されましたが、今期の会社予想は3期連続で2桁減収減益です。
M&Aなどを含めて、これから増収増益に転換するための先行投資はしているつもりです。発表の数字はコンサバな数字で、新規事業の収益は一切織り込んでいません。
――主力の「モンスターストライク」の減収による減益を90億円見込んでいます。この傾向は当分続くのでしょうか。
そうでもないと思います。第4四半期(2020年3月期)は前期を超えています。7年目のゲームで前期超えするのは、他に例を見ないはずです。僕はそれを目指してやってきているので、異常ではないと思っていますが……。昨年の春にプロデューサーを女性の根本(悠子・モンスト事業本部長)に代えて、1年で見事に再生してくれました。モンストのリバイブ(再生)の中核は、人の入れ替えでした。プロデューサーは初代が私で、根本が3代目です。人を入れ替えていくことで新鮮味を出していく。リスクですが、ゲームにとっては新鮮味こそが命ですから。
――競輪など公営競技ビジネスを強化して、ゲームと2本柱にしていきたいと表明されています。
公営競技はいろいろな問題を抱えています。日本発祥の競輪は世界レベルで人気の高い自転車競技です。「KEIRIN」という名前が付いたトラック競技がオリンピック競技としてもある。ところが、日本の競輪界はスポーツとしてそこまで競技力が上がってきていません。ここ数回のオリンピックや世界レベルの大会を見ていても、銅メダルに入るのがやっとな状況です。日本の競技者人口はこの10年ぐらいで半数になっています。ポテンシャルが高いにもかかわらず、なかなか光が当たっていない。ターンアラウンド(事業再生)というと競輪界の方に怒られるかもしれませんが、ポテンシャルを花開かせれば、ビジネスとして盛り上がり、競技レベルも上がって面白いものになっていくはずです。
――具体的にどうやって収益化していくのですか。販売手数料の比率はどれぐらいでしょうか。
競輪の「車券」を売った販売手数料を頂きます。比率は公表していません。
――公営競技の売上高や目標値については。
内部的には持っていますけれど、ゲームを超えるような事業の柱になっていくのではと期待しています。
――モンストを超えるとなると1000億円レベルですね。