プロスポーツ#11Photo:gettyimages

プロサッカーの収益規模が日本の10倍近くを誇る、世界最大の英イングランド・プレミアリーグ。実は、同リーグを含む欧州五大リーグとJリーグでは、主な収益源に大きな違いがある。特集『激震! コロナvsプロスポーツ』(全12回)の#11では、その差を徹底的に分析するとともに、Jリーグ各クラブの収益構造に着目。「コロナ後の世界」を生き延び、勝ち抜けるために必要な施策をあぶり出した。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

入場者数の減少は痛手だが
実は収益の一部にすぎない

 コロナ禍で大打撃を受けているJリーグ(日本プロサッカーリーグ)。「多くのクラブが赤字になる」「債務超過になるクラブが結構出てくる」(Jリーグの木村正明専務理事)という厳しい見通しの中、各クラブは生き残りを懸けた戦いのさなかにある。リーグ中断に加え、再開後も座席の間隔を空ける必要があり、入場者の激減などが避けられないからだ。

 だが、実はJリーグも、世界最高峰の欧州五大リーグ(イングランド・スペイン・ドイツ・イタリア・フランス)も、入場料収入は収益全体の一部にすぎない。コロナ禍の襲来で、スタジアムに大量の人を呼び込むやり口は前提が崩れた上、もともと収容人数に限界がある。

 そして大部分を占める他の収益源を分析すると、日本と欧州では構造が大きく異なっている。徹底比較によって浮かび上がったのは、コロナ後の世界でJリーグが生き残り、さらに勝ち抜けるための「二大戦略」の重要性だ。