(2)選ぶ:コミュニケーション手段を使い分ける
●意図を持ってコミュニケーション手段を提案する
では、どのように3つのコミュニケーション手段を使い分ければいいのでしょうか。重要なのは、それぞれのコミュニケーション手段の特徴を理解したうえで、営業が意思を持って選択することです。
例えば、初回の面談はお互いの人となりを知っていただくために対面にし、2回目からは専門家も同席させたいのでオンラインで行う。進捗状況などはメールで共有しておいて、契約交渉が必要な際には、上司が同行して訪問をするなど、対面の価値を明確にしてクロージングを進めていきます。業界や顧客側の文化の違いを考慮しなければならないこともありますが、できれば組織としてのガイドラインを定めておくと協働もしやすくなると思います。
(3)使いこなす:オンライン営業の課題をカバーする5つのコツ
初回の面談やクロージングは対面にしたいと考えても、コロナの感染拡大の中ではやむを得ずオンライン営業を選択するケースもあるはずです。では、特徴を踏まえたうえで、オンラインを活用した営業手法をうまく使いこなし、受注につなげるには、どのような工夫が必要でしょうか。
コロナ禍においてはZoomやMicrosoft teamsなど、さまざまなビデオ会議用のアプリケーションを活用することで、我々の利便性が高まっています。しかしながら、対面で行っていた営業活動をオンラインで行ってみると、対面では気にならないことが問題になります。例えば「熱意が伝わらない」「反応がわからない」「雑談ができない」などの意見がよく挙がります。これらは、営業が成果を挙げるためにとても重要なポイントです。そこで、よくある商談のプロセスをもとにオンラインでの課題をカバーする方法を5つ説明します。
●商談時のアイスブレーク
初回訪問や関係の弱い顧客との商談の場は、お互いに緊張感があります。対面での営業では名刺交換やアイスブレーク(最初の雑談)で場を和ませることも多いのですが、オンラインの場合は全員に対して話しかけることになり、雑談をする雰囲気が作りづらいものです。このような時には、WEB会議室に早めに入っておき、全員が揃うまでの間に雑談をします。また、初めての参加者などがいる場合は自己紹介を行い、顧客のサービスに対する興味や最近話題になっていることを話すなど、アジェンダに入るまえに、お互いに声を出しやすい雰囲気を作ることが有効です。顧客側も自由に意見が出せる場のほうが満足度は高まります。