<ポイント2>
事業軸と地域軸の2つの視座から事実を捉える
通常、人は意識しないと、ひとつの視座から事実を捉えてしまいます。そこでコーチングにおいては、まず自分が気になっている事実を3つ挙げてもらいます。その上で、視座マップ(図参照)を示して、それらの事実をどの視座から見ているのかを問います。すると自分がどの視座で見る癖があるのかがわかります。その上でさまざまな視座から事実を見ていきます。つまり、ビジネスを牽引するリーダー層であれば、「事業軸」と「地域軸」からどんな事実が気になっているのかを考えるのです。
事業軸については、「自部門→全社→パートナー→競合→業界」の順で、地域軸については、現在の商圏から始めて、「日本(商圏外)→アジア→世界」の順で見ていきます。
<ポイント3>
事実を「チャンス」と「リスク」の
2つのメガネをかけて見る(解釈する)
次に、事実に対して「チャンス」と「リスク」の両面を考えます。これによって、個人の特性による解釈をできるだけ客観的に見ることができます。ポイント1で挙げた例では、リモートワークが増えるという事実に対して、前者はリスク、後者はチャンスと見ています。他にも、新型コロナで人と会うことができない事実に対して、「繋がりが希薄になる」というリスクと捉える人もいれば、「大切な家族と関係を深めるチャンス」と考える人もいます。どちらも共感できる解釈ですね。このポイントは、自分だけではなく複数の階層、立場の人と一緒にやってもいいでしょう。
ここまで考え方のポイントを1~3までお伝えしてきましたが、新型コロナを例に考えてみると下記のようになります。まず事実を地域軸、事業軸の順で挙げていきます。その上で、事実から自社にとってのリスクとチャンスを考えます。テーマによって考える順序は変更しても構いません。