バフェット氏の「分散投資」こそ
投資家としての最大の教訓か

 それにしても、従来のバフェット氏からすると総合商社大手5社に分散投資したことは異例だ。

「大きな資金を目立つことなく動かすには1社や2社では足りなかったので、保有が公表される5%までは5社買ったのだ」という理由が現実的なのかもしれない。しかし、先に想像したように、日本の商社の事業単位での再編を考えている可能性もないとはいえない。

 ただし、バフェット氏の「意図」はともかく、「どの銘柄がいいのか優劣判断が難しい場合は複数の銘柄に分散投資する」という行為は、投資の理屈にかなっている。

 分散投資の観点では、これまで専ら米国企業に投資してきたバフェット氏が、今回日本株に投資したことが、国際分散投資の始まりであるなら、これも投資の原則に合致する。1国の株式だけに投資の対象を絞り込むよりは、国際的に分散投資する方が、投資の効率を高める機会がより大きいのは当然だ。

 個人投資家としては、バフェット氏の日本の総合商社株への投資から、「不人気株への投資」とか「非効率改善の可能性に賭けた投資」といった疑り深い見方をするよりは、「分散投資の拡大」を素直に教訓として受け取るべきなのかもしれない。