「質の高い情報」とは何か
読書における質の高い情報とは、一言でいうと、「自分にとってニーズの高い情報」です。たとえば、ソフトウェアを開発したいプログラマーにとって、「生命保険営業のためのクロージング術」は何の役にも立ちません。そのノウハウがいかに秀逸であってもです。自分のニーズと本にある情報がマッチしていなければ意味がないからです。
しかし、クロージングに悩む生命保険のセールスパーソンなら、その情報は絶対に欲しい情報です。ニーズに合致しているからです。
つまり、本に書かれている情報の質が高いか低いかは、読み手のニーズによって大きく左右されるのです。質の高い読書をしたいのなら、他の人と自分が同じかどうかは重要ではなく、自分だけの問題解決に役立つ本を選べばいいということです。
私が予備校講師時代に読んだ、自分のニーズにマッチした本として印象に残っているのは、『ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則』(ジョン・ケープルズ著、神田昌典監訳、齋藤慎子・依田卓巳訳、ダイヤモンド社)でした。
予備校講師も仕事の幅が増えてくると、夏期講習のパンフレットなどに、自分で案内文を書くことができます。たくさんの生徒に自分の講座を受講してもらえれば、それが収入につながるので、この案内文のコピーは非常に重要なPR手段と考えました。
そこで、私はコピーライティングの本を参考に案内文を作成。その結果、多くの生徒に受講してもらうことができました。3000円以上する高価な本でしたが、十分に元を取れました。
このように、「自分にとって明らかに欠けている部分を埋める情報」が、質の高い情報です。たとえわずかな量の情報であっても、成果につなげることができます。
まず自分の穴(ニーズ)を知ること。そして、読書で得られた情報を使ってその穴をどんどん埋めていけばいいわけです。