病院写真はイメージです Photo:PIXTA

20歳年下妻との結婚
条件は「人間ドック受診」だった

「こんなおじさんだけど、結婚してくれるんだね。ありがとう」――2年前、アツシさん(仮名・45歳)は20歳年下の女性にプロポーズし、OKの返事をもらった。ただし、条件があった。

「正式に婚約する前に人間ドックに行ってほしいの。あなたはいつも忙しくしているし、会食は多いし、ヘビースモーカーだから心配なの。私よりうちの親のほうがあなたと年が近いから。下手したら私、両親とあなた、3人の介護をしなきゃいけなくなるかもしれないじゃない(笑)。そんなのお断りだわ」

 彼女は本気だった。なにせ、2人が知り合ったのも、妻が看護師として勤務する病院にアツシさんが患者として入院したのがきっかけだったからだ。病院が苦手なアツシさんはこれまで、忙しさを口実に一度も人間ドックを受けたことがなかった。しかし、「彼女の心配ももっともだ」と思ったので、「いい機会だから頭のてっぺんからつま先まで、しっかり調べてもらおう」ということになった。

 さっそく、基本プランに加えて、がんと脳の検査も受けられる人間ドックを予約し、受けてみると、心配していた生活習慣病は大丈夫だったが1カ所だけ異常がみつかった。脳の動脈に小さな瘤(こぶ)があったのだ。

「ほら、ここのところ、膨らんでいるの分かりますか」

 モニターに映し出された脳血管のカラフルな画像を見ながら、脳血管外科医の説明を聞いた。