シニア女性の物忘れに銅が関係?――東京医科歯科大
銅の摂取量が多いシニア世代の女性は、物忘れが多いことが明らかになった。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らの研究による結果で、詳細は「Food Science & Nutrition」7月1日オンライン版に掲載された。
閉経期や閉経後の女性は、閉経前女性に比較して記憶障害が多いことが報告されている。その原因として、女性ホルモンの分泌量低下のほか、摂取栄養素との関係を示唆する海外からの報告も見られるが、詳細は分かっていない。そこで寺内氏らは、日本人女性を対象とする横断研究を行い、栄養摂取状況と物忘れの重症度との相関を検討した。
研究対象者は、2009年1月~2017年8月に東京医科歯科大学病院の更年期外来を受診し栄養教育プログラムを受けた40歳以上の患者のうち、食事調査および生活の質(QOL)や不安・うつに関する調査に回答した245人(平均年齢53.4±6.8歳)。ホルモン補充療法を受けている人や子宮摘出術既往者、向精神薬服用者、閉経状態が不明の人などは除外した。