シェアオフィスを国内で展開するウィーワーク・ジャパンは、12月から共有オフィスエリアの利用料金を大幅値下げした。不動産市場がタイトだった近年にビルオーナーと矢継ぎ早に高い賃料契約を結んでしまったにもかかわらず、料金を値下げする戦略は自分の首を絞めるものにならないのか。特集『不動産の呪縛』(全10回)の#8では、ウィーワークが打ち出した新たな日本戦略を追う。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
固定の賃料負担が重いのに
値下げ戦略を繰り出した
世界シェアオフィス大手である米ウィーワークの事業を日本で展開するウィーワーク・ジャパンは、1人当たり月額3万9000円(税抜き)で国内30拠点以上が使い放題になる新プラン「All Access(オールアクセス)」を12月からスタートした。
ウィーワーク・ジャパンは米ウィーワークとソフトバンクとの合弁会社であり、2018年に国内第1号拠点を開設した。当時はちょうどオフィス市場が過去にないレベルでタイトだった。そこで同社は、都心の一等地の新築大型オフィスを借りるために高額賃料で長期賃貸契約を多くの拠点で結んでしまった(詳細は本特集#7『ウィーワークの致命的問題、日本が「オフィス分散化」しても稼げない理由』参照)。
固定の賃料負担が重いにもかかわらず、今回、収入を押し下げるような値下げ戦略を繰り出したのである。