ホテルや商業施設などの建設が軒並み厳しい状況に追い込まれる中、唯一気を吐くのが物流施設だ。大和ハウス工業が物流施設への投資を3000億円増やす計画をぶち上げ、それを狙ったゼネコンの営業攻勢が強まっている。特集『ゼネコンの呪縛』(全20回)の#9では、大和ハウス工業の物流施設を中心にゼネコンの受注動向をレポートする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
大和ハウスが物流投資3000億円増
ゼネコンの受注姿勢が一変
新型コロナウイルスの感染拡大により、ホテルや商業施設は軒並み開業延期や開発中止に追い込まれた。そんな中で元気なのが、物流施設だ。
コロナ禍による巣ごもり消費でインターネット通販が拡大。マスクなど生活衛生用品の備蓄を求めるメーカーが増えたりして、物流施設の需要に拍車が掛かった。
この6月、物流施設開発の老舗である大和ハウス工業は仰天プランをぶち上げた。2019年5月に発表した「第6次中期経営計画(19~21年度)」における物流施設を中心とした事業施設への開発投資計画を上方修正し、投資額を当初の3500億円から6500億円へと3000億円も上乗せしたのだ。
これを受注しようと、ゼネコンが営業攻勢をかけている。
ある物流施設開発会社の幹部は、最近のゼネコンの姿勢に驚いている。「昨年までは仕事を発注しても断られるケースがあった」(同幹部)からだ。それが一変し、「最近は大手ゼネコンでも必死に仕事を取りにくるようになった」のである。