経営者の力量格差が
コロナ禍で企業の生死を分ける

 今回のコロナ禍においては、飲食業や旅行業を中心に壊滅的な影響を受けた企業も存在する半面、こういう環境下でも利益を伸ばしている企業もある。日経新聞が調べたところによると20年の7~9月期で史上最高の純利益となった企業は世界の企業の内、23%あるそうだ。それらの多くはITや巣ごもり消費といった、コロナ禍における生活環境の変化の恩恵を受けた業種が多いが、一方では環境変化にともなって業務の見直しを実施し、コストを下げることで収益を確保するという努力をして成果を上げている企業だってある。それが経営者の力量というものだろう。

 これからのマネジメントに求められることは、(1)業務の定義付けができること、(2)具体的なタスクの細かい指示ができること、そして(3)成果物に対する評価ができること、であろう。座っていて報告を聞き、深く考えもせずに指示するだけの経営者や管理職は不要だ。今回のコロナ禍においては、奇しくもそういった経営者や管理職の能力が白日の下にさらされることになった。第3波と言われている、今起きつつある感染再拡大で、そうした能力のない経営者は一体どのような判断を下すのだろうか。恐らく今後、ますます企業の格差は拡大していくに違いない。

 多くの大企業によく見られる「サラリーマン脳」を持った経営者ではもう会社はもたないだろうという残酷な事実が突きつけられているのだ。

(経済コラムニスト 大江英樹)