「心地良くいること」が判断力を磨く

 そして、何よりも僕がプロデューサーとして気をつけたのは、麻理恵さんの日常のストレスをなるべく取り除くこと。そう、取り除くだけでいいんです。

 もともと持っている才能を活かすのに、何かを足したり、無理に掛け合わせたりする必要はありません。麻理恵さんらしさが消えないように余計なものを取り除く。それだけで本来の価値を、自然と発揮できるようになるのです。

 撮影現場では麻理恵さんが感じた通りに、軽やかに動けるように配慮する。

 日常生活では彼女が心地良いと感じることを最優先して、違和感の少ない環境を整えていきました。宿泊先のアパートメントのベッドが体に合わなかった時には、わざわざ新しいマットレスを買ったこともありました。

 この心地良さの追求は、麻理恵さんがもともと得意としていることで、僕が学ばせてもらったことでもあります。

 例えば、「朝起きて一番に何をするのか」も大切な選択の一つで、それによって人生は大きく変わります。自分が心地良くいられることに敏感になると、判断力が研ぎ澄まされ、何においても自分の感性や直感で決断できるようになります。

 すると、自然と自分の能力を活かせる場所へ、自分を連れていくことができるようになるのです。

 実際に何をすべきなのかは、後で詳しく説明するとして、とにかく僕たちは、「自然体でいるための暮らし」を磨き続けていきました。

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