世界の製造業の回復は引き続き勢いを増している。JPモルガンのグローバル製造業PMI(購買担当者指数)は先月、約3年ぶり高水準の53.7に達した。ただ、同指数の雇用項目はようやく上向き始めたばかりで、しかも50.1とぎりぎりで拡大の水準となっている。指数は50を超えれば、前月比で景況が拡大していることを意味する。こうした弱さは、世界がどのようなリセッション(景気後退)に陥ったのかや、これまでの回復状況を巡る懸念を物語っている。現在の世界的な景気悪化は2008~09年の危機とは異なる。歴史的に見て他の大半の危機とも異なる。端的に言えば、通常の景気後退では、製造業はサービス業に後れを取る。サービス業は需要崩壊に対してより回復力があるからだ。
世界景気のV字回復、雇用は伴わず
急速に回復している経済の一角では、多くの雇用創出機会が生まれる公算は小さい
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