商品との出合いがまぜこぜの社会への理解を生む

 障がい者アートを社会に広める団体(一般社団法人障がい者アート協会など)の活動や国の支援計画もあり、今後、「障がい者アート(障がいのある人の文化芸術活動)」が世間の耳目を集める機会はますます増えていくだろう。ただ、関心の高い人と無関心の人の開きはいつの時代でも存在し、実際のアートに積極的に触れていく人は限られている。
*文化庁「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画」(平成31年3月)

 そうしたなか、ネット上で偶然に商品(障がい者アート)を見つけ、一目惚れで衝動買いし、「障がいのある人が創ったものだったのか…」と後で知る人もいるかもしれない。オンラインストアとしての「再入荷未定ショップ」は、モノとの出合いをきっかけに、ダイバーシティ社会(まぜこぜ社会)への私たちの理解を深めていくだろう。

 開店から1カ月あまりが過ぎて、澤田さん(一般社団法人 障害攻略課 理事)と東さん(一般社団法人 Get in touch 代表)は、「オリイジン」の取材に対して、こんなメッセージを寄せてくれた。

「これまでに30以上のアイテムが売れ、じわじわと“再入荷未定”状態のものが増えています。購入いただいた方からも『一目惚れしました』『オンリーワンのものだから、暮らしの中で丁寧に使っていく』などといった声をいただいています。魂を込めて、大切につくられた、かつ量産できない『もの』は、愛しい。障がいのある人の力は、もっと私たちの社会に生かせる。今後もユニークで魅力的なものを再入荷(時期は未定)していきますので、ご注目ください」(澤田氏)

「北海道から沖縄まで全国のアート活動をする福祉施設におじゃまさせていただいています。その度に独創的なアート活動にいつもガツンと刺激を受けています。そして、創作される唯一無二のグッズに、『キュート!』『ユニーク!』『このアートやグッズを通じて、彼らの魅力をたくさんの人に知ってほしい!』と夢中に。必要なのは『ほどこし』ではなく『チャンス』です。まだまだ未公開のグッズがわんさかあります。乞うご期待!!」(東氏)

※本稿は、現在発売中のインクルージョン&ダイバーシティマガジン「オリイジン2020」掲載の東ちづるさんの特別寄稿「一般社団法人Get in touchについて」に連動する、「オリイジン」オリジナル記事です。