障がい者の創作活動が全国の福祉施設などで行われ、展示会や作品販売の機会も増えている。そうしたなか、障がいのある人たちが創り出したアートを商品化し、販売するストア「再入荷未定ショップ」がネット上にオープンした。「再入荷未定」の意味することは何か? 単なる「福祉現場への救済ではない」というストア設立の意図は何か?(ダイヤモンド・セレクト「オリイジン」編集部)

*本稿は、現在発売中のインクルージョン&ダイバーシティ マガジン 「Oriijin(オリイジン)2020」掲載の東ちづるさんの特別寄稿「一般社団法人Get in touchについて」に連動する、「オリイジン」オリジナル記事です。

障がいのある人たちが作り出す、唯一無二の商品

 先月11月4日、一般社団法人Get in touch、一般社団法人 障害攻略課、NPO法人 D-SHiPS32、株式会社ヘラルボニーの4社合同で、オンラインストア「再入荷未定ショップ」がオープンした。何とも不思議なネーミングだが、これは、「障害のある方々が作り出す、一つひとつが違う商品を扱う」通販ストアだ。
*プレスリリース「生産の不安定さが価値に変わる。福祉施設の商品との新たな出会いの場、【再入荷未定ショップ】を11/4(水)にオープン」より

 女優の東ちづるさんが代表(理事長)を務める一般社団法人Get in touchは、東日本大震災後の設立(2012年)以降、誰も排除しない“まぜこぜの社会”を目指して、アート・音楽・映像・舞台など、さまざまな創作&表現活動を行っている。

「再入荷未定ショップ」の開店当日に行われたオンライン記者会見には多数のメディアや福祉関係者が参加し、運営4社の代表者がストア設立に対する思いをそれぞれ語り、販売商品の説明が作者の紹介とともになされていった。

 ストアのコンセプトを、サイト上ではこう説明している。

 ものの「安定供給」が前提となっている時代において、不安定供給の面白さや素晴らしさを社会に提案していくお店です。

 産業革命、そして20世紀にフォード式生産方法がはじまるまで、ものというのは供給が不安定でした。

 でも、だからこそ人は、作った人に感謝をし、ものを愛しみ、大事に扱っていたのではないでしょうか。

 再入荷未定ショップは、そんな、人とものの古くて新しい関係性を取り戻します。

 デジタル化社会のもと、モノも情報も瞬く間に消費され、価値を失っていく時代。緊急事態宣言下での消毒薬やマスク不足で日常の「消費行動」が見直され、巣ごもりで生まれた手作りマスクはモノの尊さを呼び起こした――いま、コロナ禍において、人とモノの関係性が問われているのは間違いない。

「再入荷未定ショップ」が扱うモノ(商品)は、日本全国の福祉施設などで創られたオンリーワンのクリエイティブ作品だ。大量生産ではなく、その1点1点が手作りなので、いったん売れてしまえば二度と同じものは手に入らない。その名のとおり、「再入荷未定」となる。

 一般社団法人 障害攻略課の澤田智洋理事は、「(再入荷未定ショップが)モノの価値の再発見につながってほしい。ショップの運営は福祉現場の救済ではなく、モノ作りの社会運動」とオンライン会見で力強く語った。

商品紹介
商品名:koyoさんのマフラー(どちらかといえばS)
作家名:koyo
所属施設:むつみ工房
情報提供:再入荷未定ショップ