つまり、今は本格的なデフレの入り口に立っているといっていいだろう。盛り上がった新型コロナ特需が剥落した形になっている。

 あるスーパーの幹部は「過去のデフレの時も、こんな感じで始まったんだよな」とボソッとつぶやく。

 急激な需要増加の後、ダラダラと続く需要の落ち込み。それに伴い繰り返される価格の引き下げという構図だ。

 競合店が値下げをするから対抗上、値下げが相次ぐというケースが多く、言われてみれば、かつてのバブル崩壊の時も、07年のリーマンショックの時も静かに価格は下落した。

消費も落ち込む懸念
流通業界は景気が良くなる要素がない

 消費も落ち込む懸念がある。今年の冬のボーナスの状況を見ても、厳しい状態だった。

 全労連(全国労働組合総連合)などが加盟する労働組合を対象に、今年の冬のボーナスについて企業からの回答状況をまとめたところ、昨年に比べ平均で17万円以上、下がった。

 ボーナスの金額を業種や規模をそろえるため、118の組合を抽出して調査した場合では、平均で1.82カ月分。昨年よりも0.21カ月分、17万2541円減少した。

 これだけ下がれば、「財布のひも」だって締めたくなる。消費環境に悪影響を与える指標は、それだけではない。

 例えば、今年10月の完全失業率は3.1%だった。7月の2.9%から確実に毎月0.1%ずつ悪化している。業種により「格差」が開いているためだ。

 しかも財務省が発表した10月の消費者物価指数は総合指数が前年同月比でマイナス0.4%となり、相場変動の激しい生鮮食品を除いた総合指数はマイナス0.7%、同じく価格変動の激しいエネルギー価格も除いた総合指数はマイナス0.2%だ。指標の悪化が目立っている。

 スーパーの売上高鈍化に加え、コンビニは一部大手を除いてオフィス立地店舗の需要が減少したこともあり、コロナの感染拡大当初から落ち込みが激しかった。

 一時期、セブン-イレブンについてはフワリと浮上する場面も見られたが、10月はセブン-イレブン・ジャパンが前年同月比で6.0%減と2カ月ぶりに減少、ファミリーマートが同6.1%減、ローソンが同6.9%減と落ち込んでいる。