中国の不動産デベロッパーは今年、中国の復興に大きく貢献しており、世界第2位の経済大国が新型コロナウイルス禍の経済的な打撃から脱し始めた中で、売上高と建設活動を拡大している。だが、来年もまた同様の活動ができるかどうかは不透明だ。不動産業界の状況に敏感な市場、特に鉄鋼や銅などの工業用金属はそれを織り込み始めるかもしれない。中国銀行保険監督管理委員会の郭樹清主席は先月末、不動産市場が同国最大の「灰色のサイ」(対応が困難な、明白で危険性の高い脅威)だと指摘した。ほとんどの上場不動産デベロッパーが、3つの「レッドライン」(避けるべき具体的な負債比率)のうち少なくとも1つに違反している。この「レッドライン」は公式に発表されているものではないが、国営メディアでは何度も確認されている。仏金融大手BNPパリバによると、2020年上期末時点で、3つのテストすべてに合格した大手デベロッパーはわずか6社で、9社は3つすべてに違反していたという。この9社の中には、中国の不動産最大手である融創中国控股(サナック・チャイナ・ホールディングス)と中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)の2社も含まれている。
中国不動産ブーム、来年も続くか
政府が矛盾に対処しなければ、不動産業界ひいては中国経済全体が本格的に圧迫を感じ始めるはずだ
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