総予測#34
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市場の縮小に加えて、コロナ禍が経営に追い打ちをかけている百貨店業界。今後の生き残りに向けて、どのように構造改革を進めていくべきなのか。特集『総予測2021』(全79回)の#34では、構造改革の方向性と百貨店のあるべき姿について、好本達也・J.フロント リテイリング社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

改革のスピードアップは
絶対条件

――コロナ禍で百貨店の経営に強い逆風が吹く状況が続いています。今後をどう見通していますか。

 われわれとしては、来年度からの3カ年計画を策定する上で、三つシナリオを用意していました。

 (客足や業績が)来年度は順調に回復していくプランAに対して、プランBはそれほど回復せず、来年度も同じような状況が続く。プランCは20%ぐらいの売り上げ減少が来年度も続き、再度の緊急事態宣言による休業もあり得るという想定です。

 プランCはそうそうないだろうと考えてきましたが、今は甘く考えるととんでもないことになるという思いです。今回はリアル店舗の弱さというものを本当に嫌というほど感じていますし、対策投資もしていかなければいけない。スピードアップも絶対条件です。

 今年度は第1クオーターだけで、200億円近い赤字をつくってしまいました。それを踏まえても、回復シナリオに頼った上昇曲線というのはどうも描けそうにない。

 今は少しBS(バランスシート、貸借対照表)も傷んでいますから、BSを2019年度レベルまでに回復させるのが、一つの目標です。

――百貨店市場自体が年々縮小している中で、今の業績悪化はビジネスモデル自体に起因している部分があることが、コロナ禍によって覆い隠され、見えにくくなっているところはありませんか。