中国は今年、共産党の結党100周年を迎える。記念日は奇しくも、東京五輪の開幕予定日だ。この「祝賀」の年に、中国は台湾海峡有事を仕掛けるのではないか――そう日本の防衛筋は真剣に警戒しているという。特集『総予測2021』(全79回)の#72では、緊張高まる中国と世界情勢の展望を、地政学・戦略学者の奥山真司氏がナビゲートする。(構成/ダイヤモンド編集部)
中国共産党100周年に起こり得る
台湾への「踏み込んだ行動」
東京五輪が開幕する2021年7月23日は、中国にとっても極めて重要な記念日である。中国共産党が結党100周年を迎えるのだ。この記念すべき節目に、中国はどのような形で国威を示すのか?
盛大な記念式典はもちろんあるだろう。加えて懸念されているのが、台湾に対する「踏み込んだ行動」だ。
中国福建省と台湾の間の東シナ海、すなわち台湾海峡では過去に、軍事的緊張が繰り返し高まっている。直近では1996年、台湾初の総統直接選挙の際に、中国人民解放軍がミサイルの発射演習を実施した。こういった危機が21年に再燃することを、日本の防衛関係者は真剣に警戒している。