総予測#77Photo:PIXTA

2021年にブレークしそうなバンド、シンガーは?特集『総予測2021』(全79回)の#77では、作家の榎本幹朗氏が「ヨルシカ」「りりあ。」などをブレーク候補に挙げる。動画プラットフォームやサブスクがヒットの鍵を握る流れは、さらに加速しそうである。(寄稿/作家、コンサルタント 榎本幹朗)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

TikTokの弾き語り動画で人気
女性シンガーのりりあ。

 2020年は、音楽サブスクや動画共有を契機とするヒットに加えて、ショートムービーのTikTokや動画サブスクのHuluを通じて花開くアーティストが見られるようになった。この流れは21年、さらに加速していくだろう。

 音楽サブスクを契機とするヒットは国内では19年からようやく見られるようになった。同年、King GnuやOfficial髭男dismが、Spotifyなどサブスクのパワープッシュを受けて、花開いた。

 TikTokは19年から流行したが、20年にはTikTokでバズると、そのままLINE MUSICの再生数ランキングにすぐ反映されるようになった。

 15秒で笑いを取れるショートムービーのBGMにふさわしく、コミカルで踊りたくなるような音楽がはやる、というのは以前からいわれていたが、20年は加えて心に刺さる音楽もTikTokで人気が出た。りりあ。はアコースティックギターに透き通る声を乗せて、15秒のサビの中で、情景ある物語を伝えてしまう女性シンガーだ。TikTokははやり廃りが激しいが、彼女なら他にも居場所を得て21年以降もいっそうブレークしていくように思う。  世間が気付かぬうちに、YouTube内の一部の界隈で爆発的に売れだすケースが20年には少なくなかった。