新人研修の場合は、歳の近い先輩社員がいればフォロー(メンター)役として個別に対応していきます。研修で学んだことについてのおさらいや、理解度をチェックする機会を個別ミーティングの中で設けます。

 中堅社員やマネジメント層についても、研修で学んだことをどのように現場で生かすのかについて、それぞれの上司が訊きだす機会を持ちます。避けたいのは、研修で「いい話を聞いた」だけで終わらせてしまうことです。そうならないためにも、研修受講後のフォローをしっかり行い、学んだことを現場で生かせるようにしていきましょう。

ユダヤ人が子どもの教育に
多額の費用をかける理由

 ユダヤの民の教えとして、「知恵は誰にも奪えない」という言葉があります。ユダヤの家庭では子どもたちへの教育にかける費用は日本の家庭の数倍だと、ユダヤ人の知人に聞いたことがあります。

リモート・マネジメントの極意『リモート・マネジメントの極意』 岡本文宏著 WAVE出版 1500円+税

 なぜ、それほどまでに教育に力を注ぐのか?

 それは、頭の中にストックされた知恵は、どんな状況下に置かれたとしても奪われることなく蓄積され、その知恵さえあれば、復活し、再生させることができるからです。実際、歴史の中で迫害を受け続けた民族であるにもかかわらず、現在、世界の経済の実質的な支配層に多くのユダヤ人がいることを考えれば、「教育」することの重要性が理解できます。

 このことは、企業経営においても同じです。どんな状況に追い込まれたとしても、人が育っていれば、企業はもう一度、いや、何度でも立ち直ることができるのです。まさに人材は「人財」だといえます。どんなときでも教育を受ける機会を奪ってはいけないのです。