孤独な人間は、「嫌われる勇気」を出すことができない
古賀 糸井さん、時間も迫ってきたので最後にひとつ、いいですか。
糸井 はい。
古賀 「嫌われること」について糸井さんがどう思っているのか、教えていただきたいんです。
糸井 嫌われる勇気なんて、ぜんぜんないですよ。あえて言えば、「嫌われる開き直り」はあるのかな。
そもそも勇気って缶詰に入ってるようなかたちあるものじゃなくて、血中濃度みたいなものなんですよね。「よし、やるぞ」ってときには、勇気の血中濃度がすこし高くなる。ただ、年をとってからは、勇気がなくてもできちゃうことが多くなるんですけど。
古賀 へええ。それは、自分を信じてくれる仲間がいるから、ですか?
糸井 ああ……いい質問ですねえ。うん、それは大きいかもしれないです。「たとえひとりでも」って言い方があるけど、「自分も信じてるし向こうも信じてる」って関係をいままでつくってきたなあって、事実として刻まれてる気がしますね。ほんとうに孤独になったら、「嫌われる勇気」は出ないもんね。うん、そうだなあ。
田中 わかります。おれが心底「仲間ができた」と思えたのは、何千人もいる会社をやめてからですし。
古賀 なるほどね。
糸井 あたらしくなる「ほぼ日の學校」でも、「勇気」って言葉だけに絞った授業をつくってみたいんだよね。大好きな概念だし、きっとおもしろくなると思います。
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