『読みたいことを、書けばいい。』への拒絶反応
古賀 泰延さんが『読みたいことを、書けばいい。』を書き終わったとき、ぼくが以前書いた『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を参考にしたけれどまったく違う本になった、でも読み返すと『嫌われる勇気』とよく似た本になった、とおっしゃっていて……。
田中 似ている、というか剽窃したんです(笑)。
会場 (笑)
田中 『読みたいことを、書けばいい。』は副読本みたいなものなので、『嫌われる勇気』とあわせてぜひ読んでください。あと900万部くらい売れるかなと思います(笑)。
会場 (笑)
田中 でもまじめな話、『嫌われる勇気』はめっちゃ参考にしたんですよ。ひとりぼっちでものを書くときに持つ勇気ってなんだろうって考えて、何度も読み返しました。
古賀 じつはね、『読みたいことを、書けばいい。』をはじめて読んだとき、その見た目とかスタイルにものすっごく拒絶反応があったんですよ。
田中 古賀さんが!?
古賀 そうなんです。文字がおおきいし、余白もすごいし。
田中 ああ?、あのとき古賀さん、態度悪かったもんね!
糸井 そうねえ。「反吐が出る」って言ってたね。
田中 言ってた言ってた(笑)。
古賀 いやいや(笑)。でも実際、たくさんの人に読まれて愛されて指針になってるわけで、なんでこんなに支持されてるんだろうって読み返して考えたんです。それでわかったんですけど……これって、プレゼンテーションの本だなと思ったんですよね。
糸井 はいはい。
古賀 ふだんの講演録というか、田中泰延という人間を、スライドを見せながらプレゼンしている本だなって。そのかたちで本をつくった人ってあんまりいないんです。ふつう、「本とは文字がぎっしりつまっているものだ」って常識に縛られているから。
そういうふうに考えたら、いまこの時代にこういう本が読まれるのも納得がいくな、と思いました。
田中 よかったあ、あの機嫌の悪い時期を乗り越えて(笑)。
糸井 最近は「反吐が出る」って言ってないもんね(笑)。
田中 「許してやろうかな」って言ってました(笑)。