「言葉にできない」コンプレックスをたった5日で激変させるメソッド頭の中にある単語やアイデアを引っ張り出すには、脳の訓練が必要(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 仕事をしていると、会議・商談・プレゼン・企画書など、「言葉で伝える」機会が非常に多くある。「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」は、どれもビジネスパーソンにとっては思い当たる節がある悩みなのではないだろうか。

 本書『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』は、博報堂のスピーチライターである著者の、36年に渡る学生たちとのコミュニケーションから生まれたものだ。著者が出会ってきた学生たちの多くは、「言葉」の悩みを抱え、自信がないのだという。そんな人でも、本書に書かれた5日間のトレーニングを通じて、一生ものの言葉の力を身につけることができる。

 ストーリー仕立てである本書は、入社3年目の大が和田先生という広告の先生に再会するところから始まる。言葉の悩みを抱えた大は、和田先生のアドバイスを5日間にわたって実行していくうちに、めきめきと力をつけていく。大の悩みに和田先生が回答している様子を見ていると、紹介されているメソッドが役に立つ場面を具体的に想像することができる。自然と「自分もいっしょに実践してみようかな」という気持ちが湧いてくる。

 効果的なメソッドが紹介されていながら、語り口がやわらかく、親しみやすい。一気に読んでしまうのも、本に書かれたことを実践しながら5日間いっしょにトレーニングしてみるのもいいだろう。本書のメソッドを実践していくことができれば、今までとは違った言葉の力を自分の内側から感じることができるはずだ。(河合美緒)