有名経営者の講演会で“出待ち”

 なんて偉そうに説明している僕も、20代の頃はモジモジしてチャンスを逃してばかりいました。せっかく講演会に参加したのに、会場の雰囲気におじけづいて、身を隠すように後ろの席に座ったり。講演後の名刺交換の列には一応並んでみるけれど、「多分ここなら、順番が回ってくる前にクローズされるよな」という場所にいてみたり。スーパー消極的な参加者だったんです。

 でも、勇気を出せなかった日の帰り道では、決まって「何のために行ったんだっけ」と自己嫌悪に陥って。

 そんなに及び腰で参加するくらいなら、一人でラーメンでも食って帰った方がよかったんじゃないか、といった後悔を繰り返していました。

 そんな弱気な自分がイヤになった。もう自分を変えようと思った。

 そしてある日、思い切って「最前列に座る!」と決めてから、どんどんと楽しくなって、行動はより大胆になっていきました。

 外食産業の有名経営者の講演を聞きに行った時には、講演後にあえて早めに会場を出て、エレベーターホールの前で出待ち。

 案の定、やってきたその方に「僕はこういう者です! 僕は、○年後までにこんな夢を実現したいです」とひと息でプレゼンしました。

 なぜ突然そんなことを言ったかというと、その経営者というのが、ワタミグループ創業者の渡邉美樹さんで、彼は当時「夢に日付を!」と繰り返しおっしゃっていたからです。

 初対面の若造の行動としては、とても無礼だったはずだけれど、渡邉さんは笑顔で「おもしろいね」と、僕に名刺を渡してくれました。

 後から分かったことですが、麻理恵さんも講演会の聴衆側だった20代前半の頃には、最前列で聞くタイプだったそうです(意外っ!)。

 その姿が登壇者の目にとまって、普通はシニアマネジャー以上しか参加できないようなセミナーに案内してもらえたりして、学びのステージがスルスルッと上がっていったのだそう。

「自分なんか」を脱ぎ捨てて、恥をかきながら抜きん出る。

 このトレーニングを繰り返していくと、どんな場所に行っても気おくれしなくなります。すごい人とも自然体で話せるようになって、仲間にだってなれるんです。

 あなたも、遠くまで羽ばたける翼を手に入れよう。

 そのためにはまず、最前列でかぶりつこう!

こんまりも実践! 講演会で「最前列でかぶりつく」ワケ