下記の図のようにピラミッド・ストラクチャーを用いると、根拠をわかりやすく提示でき、議論を円滑に進められるようになります。
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論理思考とあわせて持っておきたいのが、「問い続ける」姿勢です。物事の真因を突き詰め、常に疑いの眼差しを持ち、結論に達したと思っても思考を止めずに考え続けることで、課題に対してより正確なアプローチができるようになります。常に考え、それを論理的に整理することで、アイデアをまとめられ、迅速にアクションに向かうことができるのです。
「当たり前のスキルじゃないか」と思うかもしれませんが、この思考法のなかにこそ、見落としがちな「論理思考の鉄則」があります。
それが「相手の前提を理解すること」です。
私たちはそれぞれ違った思想や価値観を持ち、アイデアを出すとき、先ほどの「会食の場所決め」の例のように、お互いに異なる意見を持っています。そのとき、「自分の価値観が当たり前」という前提のもとに話していては、いくら正論であろうと理解されることはありません。部下の「前提」を知った上で、どうすれば効果的に伝えることができるのか。これを考えることが、論理思考の最初の一歩なのです。
ちなみに、ここでの部下の「前提」とは、以下のようなものが含まれます。
・精神状態、コンディション
・人生観
・仕事(プロジェクト)への思い、熱量
・やりがちな思考のクセ
日頃のコミュニケーションの中で、部下の「前提」を知り、部下がアイデア出しなどをした際には、横槍を入れず、思考を深める質問や提案をしてあげることが肝要です。例えば、将来起業をしたいと考えている部下がいたら、経営者としての資質を問うような質問をすると、よりプロジェクトに前のめりになってくれることでしょう。
相手の前提に立ち返り、やる気を蔑ろにしないコミュニケーションをすることが、「嫌味にならない正論」の第一歩なのです。