この先を
過去から学んでみると…

 2021年、この先を過去から学んでおこう。話は1985年までさかのぼる。

 日銀は、1985年のプラザ合意による円高で不況になった日本経済を成長路線に戻すために低金利政策をとった。それで起こったのが金融相場だ。カネ余りといわれたが、バブルで発生したカネは株式市場にドドッと流れた。1989年の株高はそうして起きたのだ。カネは不動産にも流れ、東京23区の土地で全米の土地が買える、とまでいわれた不動産バブルが起きた。金融機関が貸し出した不動産融資残は1989年3月末に200兆円、名目GDPの4割に達していた。

 さすがに日銀は地価や株価を抑えようとして低金利政策をやめ、1989年5月 (2.5%→3.25%)、10月→3.75%、12月→4.25%、とどんどん利上げをしていった(金融引き締め)。これでバブルは弾け始めた。大蔵省も、1990年3月末に不動産向け融資の総量規制を行った。これが決定打となり銀行は急に金貸しを停止、不動産バブルは急激にしぼむのである。株式市場もみるみる下げていった。

 このバブル前後、私自身も投資用ワンルームマンションをローンで購入、数年後は大暴落し大損した経験がある。今にして思うことだが調子に乗りすぎたのだった。

日経平均と公定歩合の推移各種資料よりTrioAM作成
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 バブル相場の崩壊で、証券会社は顧客に多額の損失を発生させ、その損失補填がバレて信用失墜、会社自身の投資損失も処理しきれなくなった。銀行も不動産向け融資が回収できなくなった。こうして、山一證券や拓銀が廃業、あるいは破綻していった。バブルの崩壊は、中央銀行による金融引き締めによって発生するのだ。

上がる理由はいくらでもあるが
下がる理由はない?

 では、日銀は今年、引き締めに転じるだろうか。まさか。それはまずない。

 現在の日銀の基準貸付利率(現在は公定歩合とは言わない)は実に0.3%だ。この低金利は10年以上も続いている。いつまで続けるかは日銀次第だが、FRBパウエル議長はゼロ金利を2022年まで維持する見通しと声明を出している。米国経済の安定には時間がかかると読んでいるのだ。米国に先行して日本が金利を上げることはないだろう。