ところが、サプライヤー各社が提案している次世代品を見るに、今後、このシステムの小型化、低コスト化は急激に進む公算大だ。軽自動車ならその48Vバッテリーと出力5kWのモーターでも、リダクションギアをうまく組み合わせれば十分ストロングハイブリッドに仕立てられるだろう。

 また、これまで低温特性などの理由で廃止できなかった鉛バッテリーのリチウムイオン電池への代替が、遠くない将来に起こるとみられている。その際にはスペースのゆとりが生じ、なおハイブリッドシステムを実装しやすくなるだろう。

軽自動車のフル電動化
価格はどうなる?

 次に軽自動車のフル電動化、すなわちBEV化。

 これについては2009年に三菱自動車が世界初の量産型BEV「アイミーブ」を発売した時点で、パッケージング的には十分可能だと実証されたようなものだ。発売当初はバッテリーコストが現在の5倍ないしそれ以上ときわめて高かったこともあって、車両価格は460万円もした。

アイミーブ世界初の量産型BEV「アイミーブ」。パッケージング的には十分可能ということを証明している。だが、価格は高かった Photo by K.I.

 今日でも300万円と、かなり立派なプライスタグがついているが、そうなっている要因はバッテリーコストだけでなく、アイミーブの生産台数が少なかったために車体、駆動系の製造コストがほとんど下がらなかったことにある。

 三菱自動車、日産自動車は早ければ今秋あたりに新しい軽規格のBEVを発売するとみられている。その価格もアイミーブよりは安くなるかもしれないが、シティコミュータとしては決して安くはない水準となるであろう。が、軽規格BEVにも今からおよそ15年もの時間がある。

 その間、いくらでも新技術が出て来るであろうし、世界でBEVの量産が進めば純ガソリン車やハイブリッドよりは高いにしても、それらに対する価格の上乗せ幅は今よりずっと小さくなるだろう。

 現在、世界の自動車業界は電動化ブームが過熱の様相を呈しているが、今後の展望は決してクリアというわけではない。だが、電動化が進もうが進むまいが、またクルマの個人所有が続こうがMaaS(クルマを使ったサービス)になろうが、価格が最重要ファクターである大衆商品、大衆サービスである以上、必ずそれらの技術はコモディティ化する。