わが国の事業会社による銀行参入と規制上の論点
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ワンウェイ規制の下、
多様な事業会社が銀行参入

 わが国では、2000年代に入り、事業会社による銀行業への参入が活発化した。現在、事業会社に保有されている銀行は、小売系のイオン銀行・セブン銀行(セブン&アイ・ホールディングス子会社)・ローソン銀行、通信系のauじぶん銀行、IT系の楽天銀行・ジャパンネット銀行(18年にヤフーの連結子会社となり、今年4月にPayPay銀行へ商号変更予定)、メーカー系のソニー銀行がある。このうち預金残高が多いのは、イオン銀行と楽天銀行で、20年9月末時点でいずれも3.9兆円と地銀中位行レベルまで拡大している。また、ソニー銀行は2.7兆円、auじぶん銀行は1.8兆円と、いずれも1兆円を超えている。

 20年3月期の経常利益を見ると前述の銀行はすべて黒字である。セブン銀行が約400億円と地銀トップ5に入る水準であるほか、楽天銀行が270億円、イオン銀行とソニー銀行も100億円超と、いずれも地銀中位行に匹敵するレベルの利益水準を確保している。超低金利により伝統的な銀行の収益性が低下するなか、これらの銀行が利益を計上できる理由は、(1)本業の顧客基盤へのクロスセルによりマーケティングが容易である点や、(2)オンライン主体でレガシーアセットがなく、ATMや支店に必要なスペースは本業の店舗を活用できるなど、経費も低く抑えられる点が挙げられる。