効果的な感謝の言葉で
部下に「貢献」を実感させる
では、部下の貢献を見落とさず、彼らから信頼を得るにはどうすればいいのでしょうか。シンプルですが、まずは「口に出して感謝を伝えること」が重要です。分かりやすい成果はもちろん、資料作成やクライアントとのコミュニケーションなど細かい工夫や成長を少しでも感じたら、「助かった」旨を伝えると、信頼関係の構築につながります。
部下の行動をチェックするときは、
・「結果」だけでなく「過程」
・「今」だけでなく「前からの成長」
・「論理面」だけでなく「感情面」
・「行動」だけでなく「動機」
などをつぶさに観察し、本人に伝えることが重要です。もったいぶらず、彼らの貢献に気づいた瞬間に適切な形で伝えられれば、その後の仕事のモチベーションを高めることができるでしょう。
伝えるときの注意点は、「口先だけにしない」ことです。「感謝の念がないのに、口先だけで感謝して、むしろ他の言動では彼らをおとしめている」のでは、逆に信頼関係が壊れてしまいます。本当に感謝に値することがあり、実際に関係者が感謝の念を感じている場合に、それを全ての言動を通して示すことが重要です。
さらに、感謝を伝える際は「私(上司)が助かった」だけではなく、同僚や他部署、取引先や顧客など、多方面にわたる貢献を可視化して伝えてあげると、より効果的になります。これによって彼らのモチベーションは格段に上がり、今後の仕事の成果にも結びついていくことでしょう。
また、部下本人が「イマイチだ」と思っている実績をむやみに褒めても、「本当に自分のことを見ているのか?」という不信感を与えてしまいます。その結果へと導いた行動に対して、適切に感謝されたり褒められたりしたときに初めて、人は「うれしい」と感じるものです。信頼関係を築くためにも、部下の気持ちをしっかりと理解した上で、適切に感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。