このコロナ禍では、成長を目指すだけではなく、ムダを省き、筋肉質な経営を目指さなければいけません。リモート経理を導入できれば、「コスト・働く時間」を劇的に少なくすることができます。経費精算のためにわざわざ出社していては、時間とお金をドブに捨てているようなもの。そもそも経理とは「経営管理」の略称。「営業」が会社の攻めを司る剣なら、「経理」は守りを固める盾です。右肩上がりの時代はどこの会社も営業重視でしたが、コロナ禍では経理がいっそう重要になりました。
本連載は、「リモート経理を導入するためのノウハウ」を紹介するものです。著者は「会計とITの融合」を得意とする税理士、井ノ上陽一氏。『リモート経理完全マニュアル 小さな会社にお金を残す87のノウハウ』を出版し、「いつでも・どこでも・誰でも」安心に経理業務ができるメソッドをあますところなく伝えています。

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ペーパーレス化には、3つのポイントがある

 リモート経理の大前提は「紙を使わないこと」です。

 紙がある、つまり物理的なものがあると、リモート経理はできません。紙を使わない、ペーパーレスを徹底しましょう。ポイントは次の3点です。

①プリントアウトしない

 ペーパーレスのためにも、自宅にプリンターを置かないことをオススメします。制限すれば、考えます。かんたんなことではありませんが、目指さないことには実現しません。

 まず「プリンターの電源を入れない」から始めましょう。そして、どうしてもプリントアウトしたくなったら電源を入れるのです。

 プリントアウトしなくても確認できるよう、大きなディスプレイを準備することも欠かせません。「確認するためのプリントアウト」をなくしましょう。

 プリントアウトすると機密情報が紙になり、シュレッダーにかけなければいけません。プリントアウトしなければ、その手間をなくせるのです。「誤ってプリントアウトする」ことも起こり、その都度、リスクは高まります。

 不要になったからといって、ゴミ箱に捨てるわけにもいきません。もし処分するなら、文書回収溶解サービスを使わざるをえないでしょう。たとえばヤマト運輸の機密文書リサイクルサービスなら、1箱1890円(+税)かかります。「目に見えるから安心」。そんな思い込みは捨て去りましょう。

②紙をデータにする

 紙があれば、それをスキャンしてデータにしましょう。スキャンしたデータはPDFにして、名前をつけてパソコンに保存しておけば、いつでも見ることができます。

 紙よりも探すのが速くなるように、中身がわかるようなファイル名をつけましょう。ファイルが多くなると探すのに手間がかかりますので、PDFファイルを結合してできる限りファイルの数を減らすことも大事です。PDFファイルの結合には、Windows ならフリーソフトのCubePDF Page がオススメです(有料ならAdobe Acrobat が便利です)。