接待横行の根本的な原因は旧郵政省の権限の大きさ

 それでは、なぜ旧郵政省は他省庁よりも接待に緩いのでしょうか。その最大の原因は、旧郵政省があまりに強大な権限を持ち過ぎてしまっているからではないかと思います。総務省設置法と総務省組織令を読めば一目瞭然ですが、旧郵政省の権限の大きさは尋常ではありません。

 接待問題が噴出した情報通信行政だけを見ても、まず通信に関して“規制”(許認可など)と“振興”(研究開発などの名目での財政支援やビジョン作りなど)の両方の権限を有しています。

 そして、放送に関しても同様に“規制”と“振興”の権限を有しています。さらには、通信と放送のインフラである電波に関しても“規制”と“振興”のあらゆる権限(周波数割り当て、免許交付、許認可、電波料の水準の決定、利用促進など)を有しています。

 すなわち、通信、放送、電波のすべてについて“規制”と“振興”の権限を有しているのですから、既存の事業者、新規参入を目指す事業者、予算獲得を狙う事業者など、さまざまな事業者が旧郵政省の幹部クラスの人たちと良好な関係を築いて、相談や陳情をやりやすくしたいと思うのは当然のことです。

 となると、事業者の側から接待の誘いが多くなって当たり前です。かつ、人間は弱いものですから、一度接待の味(タダで美味しいものを飲み食いできる)を知ってしまい、かつそれがバレずに済むと、接待慣れしてしまうものです。

 つまり、旧郵政省が強大すぎる権限を有し、事業者がそれに擦り寄るべく接待を重ねることを通じて、旧郵政省の官僚と事業者の双方、さらには族議員の人たちに既得権益が生じることになります。だからこそ、今週新たに発覚したように、NTTは過去に総務省の政務三役にも接待を繰り返していたのでしょう。

 ちなみに、旧郵政省の幹部が接待慣れしていたであろうことは、谷脇氏の行動からも容易に推測できます。総務省の内部調査の中間報告によれば、谷脇氏はNTTとの3回の会食のうち1回だけを自己負担していますが、おそらく、2回の会食は谷脇氏とNTTだけという既得権益のインサイダーだけなので負担する必要なし、1回は既得権益の外にいる第三者(外務省審議官)が同席していたので5000円という形式的な自己負担をしたのでしょう。