このコロナ禍では、成長を目指すだけではなく、ムダを省き、筋肉質な経営を目指さなければいけません。リモート経理を導入できれば、「コスト・働く時間」を劇的に少なくすることができます。経費精算のためにわざわざ出社していては、時間とお金をドブに捨てているようなもの。そもそも経理とは「経営管理」の略称。「営業」が会社の攻めを司る剣なら、「経理」は守りを固める盾です。右肩上がりの時代はどこの会社も営業重視でしたが、コロナ禍では経理がいっそう重要になりました。
本連載は、「リモート経理を導入するためのノウハウ」を紹介するものです。著者は「会計とITの融合」を得意とする税理士、井ノ上陽一氏。『リモート経理完全マニュアル 小さな会社にお金を残す87のノウハウ』を出版し、「いつでも・どこでも・誰でも」安心に経理業務ができるメソッドをあますところなく伝えています。

経理社員の不正、3つのパターンPhoto: Adobe Stock

これが社内不正のパターン

 経理で大切なのは社内の不正を防ぐことです。お金絡みのことですので不正がないとも限りません。

 前提として、魔が差さないようにルールやチェック体制を整えましょう。一般社員の不正で多いのは次の3つです。

◦現金の売上金をそのままポケットに入れてしまう
◦個人的にバックマージン(手数料)をもらう
◦経費精算で、架空のものを入れたり、金額を増やしたりする

 さらに経理担当者の不正にも気をつけましょう。経理担当者の不正で多いのは、次の3つです。

◦口座を作り、そこに振り込む
◦発注書を偽造する
◦不正に振り込む

 リモート経理ではデータが前提となりますので、データのチェックにより不正を防ぐ可能性が高まります。

 経理担当者の仕事をチェックする体制を作りたいものです。チェックするだけであれば経理担当者でなくてもできます。