不正を防ぐコツ
社長自身が会計ソフトの生データを見るのも欠かせません。
会計ソフトfreee の場合、データは「レポート」→「仕訳帳」にあります。このデータをなんとなくでもいいので、眺めてみましょう。会社の全取引がデータ化されたものです。交際費、消耗品費などを含め、取引をイメージしながら見てみましょう。会社の大切なお金が動いているわけです。
細かな取引をチェックし始めると時間が足りません。「10万円以上の取引を見る」などと決め、金額が大きいものを中心にチェックしましょう。
専門的な知識で見る必要はなく、データにさっと目を通して、「なんだ、これは?」というものは経理担当者に必ず質問しましょう。不正が見つかるのは自分の違和感からだったりもします。数字を見ていて違和感がある、現実とのかい離がある場合はどんどん質問しましょう。社長なり他の社員なりがデータを見ていることは経理担当者への牽制にもなります。
現金を使わない、紙を使わないリモート経理だと不正はしにくくなります。データだと共有もでき、お互いチェックしやすいからです。1人の経理担当者しか見ることができない状況は避けましょう(税理士等の外部にその役割を依頼することもできますが、その意図はきちんと伝えましょう)。
一方、リモート経理にも弱点はあります。「ネットバンクを使って不正に振り込む」ことがかんたんにできるからです。架空の取引先に振り込むことで、不正しているケースもあります。振込先に知らない取引先がないかをしっかり確認しておきましょう。社長だけではなく、営業の責任者や担当者にもデータを見てもらいましょう。