リモートワーク中に太ったという人は「運動不足を解消しないまま高脂質な食生活を送っているはず」と古賀氏は指摘する。耳が痛い話だが、生活の乱れが冷え性を招いているのだ。

「また、春で暖かくなりつつありますが、コロナ対策としてこまめな換気は必須なので屋内は寒いです。日常的に体が冷える環境が、男性の冷え性を長引かせる要因。言ってしまえば、夏場でもクーラーが効いている部屋でずっとリモートワークしていたら冷え性になります」

自律神経を乱す
リモートワークのストレス

「三つ目は『ストレス』です。リモートワークで『仕事のオンオフが切り替わらない』と悩んでいる人が多いですが、そのストレスは自律神経のバランスの切り替えにも悪影響を及ぼしています。通常、活発に活動する日中は交感神経が優位になり、夜のリラックスタイムは副交感神経が優位になることでスムーズに入眠できます。しかし、リモートワークに慣れていない人は、仕事が終わってもなかなか気が休まらず、常に交感神経優位になって仕事モードが続きストレスがたまってしまうのです」

 交感神経とは、身の危険を感じたときに戦ったり、逃げたりする際に活性化する自律神経。緊張時には手や足の血管を収縮して、心臓や肺に血液を集中させる働きがあるそう。

「たとえば、極度に緊張したりストレスがかかったりすると顔面蒼白になります。顔色が真っ青になるということは、皮膚の血管が収縮して血の気が引いている状態です。そこまで極端な緊張でなくても交感神経が優位のときはストレスがかかっているので、末梢の毛細血管が収縮して手足が冷えてしまうのです」

 それだけでなく、交感神経優位のままでは夜も熟睡できず、寝不足になり仕事の効率も下がる……。まさに悪循環だ。