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大阪府で、新型コロナウイルス感染症の感染者が連日1000人を超えた(19日は719人)。すでに「まん延防止等重点措置」が適用されているが、3度目の「緊急事態宣言」発令が現実味を帯びている。連日、吉村洋文大阪府知事がメディアに登場し、吉村知事を批判するような意見も増えてきたが、根本の原因はこれまでの菅政権の対応にある。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)

吉村大阪府知事は病床確保に向けて努力はしていた

 吉村大阪府知事は、メディア等で「コロナの急拡大に応じて一般医療を制限する場合、一定の基準を国に示すよう求めたが、まだ示されていない」と訴えた。この発言に対して、「責任を国に押し付けている」との批判もあるが、知事がコロナ患者用の病床確保の努力を怠っていたわけではない。

 例えば、2020年12月から大阪府私立病院協会や民間病院に対して病床確保の協力を求めてきた。吉村知事は、民間病院のコロナ病床が、12月22日時点の471床から、1月31日には約1.4倍の687床に増えたと成果を誇っていた(日本経済新聞『民間病床確保 1.4倍に 大阪知事「指示」見送り』20年2月2日)。

 ただし、確保した病床の多くは、軽症・中等症用の病床だった。重症病床は248床にすぎないし、重症患者は病床数を上回ってしまった(4月18日現在。参考:大阪府新型コロナウイルス感染症関連特設サイト)。

 吉村知事は、重症病床を増やすことの重要性を十分認識はしている。大阪府は、30床の重症病床がある臨時医療施設「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)を設置。また、すでに重症患者を受け入れている医療機関の敷地内に、新たなプレハブの医療施設を設置する方針で動いていた。

 だが、重症患者の急増に間に合っていない。

 4月16日、吉村知事は「1病院、1病院お願いしていくしかない」として、大阪府内の複数の重症患者を受け入れている病院を個別に訪問し、あらためて重症病床確保の要請をした。

 冒頭で触れた、吉村知事の「一定に基準を国に示すよう求めた」という発言は、このような背景があって出てきたものだ。それは、菅政権の「病床確保」の政策が不十分であることを示している(第265回・p2)。どういうことか。