自治体職員の多くは、電話照会による個人情報漏洩に起因したストーカー殺人事件は、従来の教育・訓練では対応できないという認識を高く持っていた。教育・訓練実施後に受講者から回収できたアンケートの主な内容は以下の通り。

(1) 所属部門

窓口部門: 70%(26 名)
その他: 30%(11 名)

(2)役立った理由(主なもの)

 ・組織力の大切さや組織としてどう対応するか?
 ・現状の情報周知方法の課題を考える機会になった。
 ・業務分析の大切さを再認識した。
 ・ストーカー事件を再認識する良い機会になった。
 ・ヒューマンエラーを多方面から考える良い機会になった。
 ・個人情報を守る上での心構えが身についた。
 ・考え方、チェック方法などが参考になった。
 ・作業者に沿った仕組みづくりを考えるという視点が参考になった。

(3)研修全体に対する意見・感想等

 ・次年度もぜひ研修を実施し、今回同様、他部門の職員も受講させてほしい。
 ・全職員を対象として実施したほうがよい。
 ・危機管理についてはどんなに重複しても、繰り返し毎年実施してほしい。
 ・とても参考になった。職員からの質問も含めよかった。
 ・悪いことを考える人や組織は増え、手口も巧妙化しており、毅然と対処するために生かしていきたい。
 ・危機管理やリスクは、正答はないが、講義の中で様々なヒントを得られた。
 ・ビデオ(に登場するゴリラに)は全く気がつかなかった。ミスをしないためには、組織として対応が大事だと感じた。
 ・いつもの見方でいると他の大きな事に気がつかないことを検証するビデオは大変興味深かった。
 ・ビデオは目から鱗で、全体を俯瞰する人がいることの重要性を感じた。

 さらに、以下のようなコメントも寄せられた。

 ・研修後、電話対応でやりがちなことを反省して業務改善ができそう
 ・攻撃者側の技術も日々向上しており、適切な対応を係全員が行えるかは疑問で、対策が必要になる。
 ・実際事例の原因分析で、効果的な再発防止策を考えられると判断できた。
 ・個人情報漏えいの可能性を多面的に考えられた。 繁忙時、あせっている時、上司不在時等、いろいろな状況を想定しての対処が必要であると気付いた。
 ・内容の多くは周知だったが、ここまで深く掘り下げていなかった。
 ・嘱託、アルバイト、再任用職員等などへの研修を必須にせず、個人情報の取り扱いを十分理解せず、窓口、電話対応を任せる危険性を感じた。