これは「Clubhouse Creator First(クラブハウス・クリエイター・ファースト)」と名付けられたプログラムで、作品を作成するための機材をクリエイターに提供したり、ゲストのマッチング、クラブハウス内外でのプロモーション、さらにベビーシッターといったものなど、さまざまなサービスを提供し、クリエイターをサポートして収益化をはかるというプログラムです。

 具体的なマネタイズについては発表されていませんが、作品制作のための機材や環境、さらにプロモーションまで行われる予定で、クラブハウスに参加しているクリエイターにとってはまさに朗報ともいうべきものでしょう。

 選出されたクリエイターは、クラブハウス側が最適なブランドとマッチングさせ、これによってクリエイターの収益化を行います。マッチングがうまくいかなくても、クラブハウスから月額5000ドル(約54万6000円)を3カ月間保証されるようです。ここから、新しいクラブハウスの使い方や、マネタイズが生まれると考えられます。

 また、すでにクラブハウスによる投げ銭システムのペイメント(Payments)も発表されています。この機能は、ユーザーが特定のモデレーターなどに投げ銭できるシステムです。

 今後のクラブハウスの動きに、新しいマネタイズを期待してもいいでしょう。それまではクラブハウスに慣れ、音声SNSの特徴を把握し、どのようなルームなら収益が上がるのかを考えながら、使いこなしておきたいところです。

「クラブハウス」の利用で見えてくる新たな採用スタイル

 個人がユーザーとしてクラブハウスを利用するケースばかりでなく、最近では企業が利用する例も出てきています。

 たとえば、クラブハウスで「決算説明会」を行った企業があります。東証1部上場企業のGMOペパボです。21年2月3日、GMOペパボから20年12月期の決算説明会をクラブハウスの音声のみで配信し、その後、参加者からの質問に社長が答える、というものでした。

 GMOペパボはフリマアプリやレンタルサーバー、ネットショップ作成サービスなどを運営するIT企業だけに、これまでも「ユーストリーム(Ustream)」やウェブを利用したさまざまな試みを行ってきましたが、日本で始まったばかりのクラブハウスで、決算説明会を開催するというのは、実に斬新な挑戦といえるでしょう。