保険の裏 営業の闇#19

生命保険業界で、乗り合い代理店市場は最も競争が激しく、今一番熱い市場だ。朝日生命保険の子会社として2021年4月に設立されたなないろ生命保険は今年、最後発として参入する。特集『保険の裏 営業の闇』(全21回)の#19では、マーケットで勝ち抜くための戦略を、石島健一郎社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

10年前に始まった代理店事業
朝日生命の安定で分社化へ

――乗り合い代理店マーケットには、メディケア生命保険やはなさく生命保険など大手子会社が相次いで参入しており、競争環境は厳しい状況です。そこに最後発として参入するわけですが、勝算はありますか。

 実は、乗り合い代理店マーケットには、朝日生命保険として約10年前から参入しています。ですので、一から会社をつくって参入するのとは、少し違います。

 もっとも、メディケア生命さんを見ながら、長らく別会社をつくりたいなあと思っていましたので、ようやく今回、設立にこぎ着けたというわけです。

――10年前から、新会社設立を考えていたということですか。

 そうなんです。ですが、金融当局からは「別会社をいきなりつくって、うまくいくのですか?」と一蹴されてしまいました。それはその通りですよね。当社は実績もありませんでしたし、何より経営状況が厳しかったですので。

 そこで、7~8年前になりますが、朝日生命内に社内分社化のような形で、代理店事業本部をつくったのです。

――その事業部が、今回の新会社の基になっているということですね。