保険の裏 営業の闇#20Photo by Toshiaki Usami

2021年4月に就任した三井住友海上火災保険の舩曵真一郎社長。就任後の代理店会へのあいさつで、早速、改革の必要性を訴えたという。特集『保険の裏 営業の闇』(全21回)の#20では、生き残るプロ代理店の条件をどう考えているのか、話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

初仕事で厳しいことを言い
代理店会はシーンとなった

――損害保険会社の代理店網を効率化することは、業界共通の課題かと思います。御社の場合は代理店会が力を持っていますが、どのように進めていきますか。

 4月1日に社長に就任して、最初の仕事は新入社員の入社式に出席することだったんですが、対外的な最初の仕事は代理店会でのあいさつでした。

 そこでは、火災保険事業について赤字が続いており、お客さまには値上げをお願いしたこと、それと同時に保険会社としては効率化を進めることをお話ししました。その後、代理店の皆さんにはこう言いました。

「比例して手数料が上がるということはない。標準手数料は下げさせてもらいました」

 合計20分くらい話をしましたが、冒頭でそう言ったら、シーンとなってしまいました。