Photo by Akio Fujita, Masaki Nakamura

保険代理店の業務品質とは何か――。大型乗り合い代理店から中小の代理店、損保プロ代理店に至るまで、その本質が問われている。従前のままの感覚でいれば、淘汰は必至だ。特集『保険会社vs金融庁』#2では、三流保険代理店の大淘汰に向けて金融庁が本腰を入れる大改革について迫った。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

「週刊ダイヤモンド」2020年7月4日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

金融庁が本腰を入れて大改革
業務品質の実態に大なた

 6月17日、東京・有楽町にある生命保険協会で、乗り合い代理店に関する“二つ”の会合が開かれた。

 一つ目が、「代理店業務品質のあり方等に関するスタディーグループ(以下、SG)」の初会合だ。

 その名の通り、金融庁が掲げる顧客本位の業務運営をさらに推し進めるために、乗り合い代理店13社と二つの業界団体、消費生活相談員協会、保険会社42社、そして金融庁が、乗り合い代理店における業務品質の在り方について議論するというのが会合の目的だ。

 独占禁止法に抵触する恐れがあるため手数料水準などは表立って議論しないことになっているが、わざわざこうした大掛かりな会合を開くのは、業務品質とは名ばかりの高額な手数料体系やインセンティブ報酬の問題が、いまだに根深いからに他ならない。

 事実、事前の配布資料には、金融庁が毎事務年度ごとに公表する金融行政方針から抜粋した文章が、以下のように例示されている。

「代理店手数料(事務手数料及びインセンティブ報酬)を代理店の役務やサービスの質を的確に反映し、顧客に適切に説明できる合理的なものとしていくことも重要」(平成30事務年度)

「依然として比較推奨を歪めかねないインセンティブ報酬を支払っている事例等も認められており、引き続き改善を促していく必要がある」(令和元事務年度)

 併せて、事務局側も「品質評価項目やその評価方法・水準等についてさらなる改善が必要」「形式的な基準をクリアするだけで評価されるような項目が散見される」「募集プロセスの記録がなく、業務の適切性を検証できない代理店に対して高い評価を与えている」などといった事例を示している。

 つまり、業務品質の項目を加味した手数料体系が広まりつつも実態が伴わず、相変わらず比較推奨をゆがめるインセンティブ報酬がはびこっているというわけだ。

 そして、この現状に業を煮やした金融当局が代理店や業界団体を巻き込んで、共に業務品質の在り方を考えるに至ったのだ。